家庭でコーヒーを楽しむときに多くの人はドリップ式を愛飲しているでしょう。1杯分が一つのパッケージとなった商品もたくさんの種類が販売されています。今でこそ最もポピュラーともいえるドリップ式コーヒーですが、実はコーヒーが普及し始めたころは別の方法で人々はコーヒーを楽しんでいました。
・はじまりは煮だして飲むスタイル
ロンドンでコーヒーが伝わったころは、煮だして飲むというトルコ式の方法でコーヒーを楽しんでいました。イブリックという容器で煮だしたものを飲むのがトルコ式です。コーヒーというよりはスープのようなイメージです。しかしのこの方法ではどうしても粉状の豆が残ってしまうことや、浮遊している豆の粉が沈みきるまでに時間がかかるという課題がありました。
・ブリキ職人の発明で布ドリップ式が生まれる
コーヒーがヨーロッパ内の他の国へ広がるのに時間はかかりませんでした。フランスでも瞬く間にコーヒーは人気を集め、その場所でコーヒーの淹れ方が近代的なスタイルへと変化しました。とあるブリキ職人が布袋の中に挽いたコーヒーの粉を入れてポットの中にセットし、お湯を注ぐ器具を作ったのです。1763年のことでした。
・ドリップ式の発明はコーヒー文化の革命的出来事
ドリップ式の抽出はコーヒー本来の豊かな香りと味を最大限に引き出す方法として、現代まで採用され続けています。フィルターから滴るコーヒーを眺める時には、フランスで生まれたドリップ式の歴史を思い出してみるのも良いでしょう。