羊飼いが見つけたエチオピアコーヒー

コーヒーショップで数多く並ぶ豆の産地情報を見ると、「エチオピア」という地名をよく目にします。ドリップパックのパッケージなどでも見たことがある人は多いでしょう。エチオピアはコーヒーの歴史にまつわる伝説にも出てくる地域です。

・アビシニア高原の山羊飼いの伝説

エチオピアには今でも大自然豊かで、コーヒーの産地として有名なアビシニア高原があります。はるか昔、この高原にカルディという山羊飼いが放牧生活をしていました。ある時、カルディが管理している羊たちが元気に飛び跳ねていることに気付きました。羊たちは近くに生い茂っていた木から「真っ赤な実」を食べていたようでした。それで、カルディも試しに食べてみると元気が出てきました。この「真っ赤実」こそがコーヒーの実です。

・イスラム教の聖職者によって広まる

カルディとその羊たちの様子を見ていた僧侶が「真っ赤な実」を持ち帰って仲間たちに食べさせたところ、眠気が覚めて爽快な気分になりました。それ以降、コーヒー豆は僧侶たちの間で元気のもとのように愛用されることになりました。そして徐々に他の人たちにも広まっていったとされています。

・コーヒーと宗教

コーヒーの歴史を物語る伝説は世界各地に数多くあります。その中でも広く知られているものには、イスラム教の聖職者が登場します。もともとは僧侶たちが眠気を覚ます目的で、魔法の豆のように扱われていたことが始まりのようです。コーヒー豆の産地の数だけ伝説も様々なのでしょう。