【蒸らしは必須】
ドリップ方式でコーヒーを淹れる場合、ペーパーフィルターでも布フィルターでも、最初は少しだけお湯を入れて蒸らします。ほとんどのドリップの説明書にもそのような紹介がなされているので、コーヒーをドリップする一つの手順として定着しているとも言えるでしょう。
【湯となじませるため】
この蒸らしは、コーヒーの味を左右する大事なプロセスの一つです。コーヒー豆とお湯を適度になじませるという目的があります。コーヒー豆にお湯を注ぐと、モコモコと豆が盛り上がってくるのが分かるかと思います。これは、実はコーヒー豆から炭酸ガスが出ているからです。炭酸ガスが十分に出て豆の部分が広がると、それだけお湯に触れる表面積が広くなって、十分に旨みや香りを出せるようになるのです。そのため、蒸らしをきちんとすることによって、コーヒー豆の特徴が出やすくなります。酸味と甘味、そして適度な苦みが十分に感じられるようになって、本来の味わいを楽しめるわけです。
【蒸らす時間】
蒸らす工程は、一般的には30秒くらいしておくと良いと言われます。ただし、これはあくまでも平均的な時間で、蒸らし時間によって味わいが変わってきます。たとえば、長くすると苦みが強くなり、長すぎると渋みさえ感じるようになります。一方で短めにすると、さわやかで甘味やコクが少なめの味となります。また、酸味も出やすいことが多いです。このように、すっきりとした仕上がりにしたいのであれば蒸らしは短く、どっしりとした味にしたければ長めにするということになります。
