日本初の喫茶店は明治時代の東京から

喫茶店は全国どこに行っても見つけることに困りません。東海地方ではモーニングサービスと言って、コーヒーを頼むとトーストとゆで卵が無料でついてくる時間限定サービスが一般的です。このサービスを利用して、朝食を喫茶店で済ませる人も多くいます。日本での喫茶店の始まりは明治時代の東京まで遡ることになります。

・明治21年に東京でオープン

明治の日本で、文明開化がはじまった東京には西洋レストランが登場するようになりました。そして、メニューにはコーヒーも加わるようになりました。明治21年になると、日本初となる本格的な喫茶店が東京にオープンします。お店の名前は「可否茶館」です。オーナーは、鄭永慶という人物でした。鄭永慶は自宅を洋風の建物に改装してお店を始めました。

・コーヒー1杯1銭5厘

「可否茶館」では、コーヒー1杯が1銭5厘でした。ミルク入りコーヒーは2銭で提供していました。当時のお金の価値について、1円が現在の2万円だとすると、1銭が200円という計算になります。するとミルクコーヒーが1杯400円程度であった計算です。参考値となるものの400円程度であれば、現在の喫茶店価格と比較してもそれほど高かったわけではないようです。

・長くは続かなかった「可否茶館」

残念なことに日本初となる喫茶店である「可否茶館」は、3年ほどで閉店してしまいました。しかしながら、多くの日本人が手軽にコーヒーを楽しめる場を提供した功績は今でも語り継がれています。鄭永慶が始めた「可否茶館」が日本のコーヒーショップの原点というわけです。