もともと海外より日本に伝わってきたコーヒーが、いつ日本にやって来たかという点については諸説あります。足利時代という説もあれば江戸時代という説もあります。
・足利時代にヨーロッパより伝わったという説
足利時代にはヨーロッパからキリスト教の宣教師が来日してきました。布教活動のため来日してきたスペイン人やポルトガル人がいました。それらキリスト教の宣教師たちによって、コーヒーが日本に伝わったという説があります。
・江戸時代に長崎へやって来た説が有力
史実によると、足利時代にコーヒーが持ち込まれたという説よりも江戸時代であるという説の方が有力視されています。オランダ商人が現在の長崎県に持ち込んだという説です。江戸時代のさまざまな文献にコーヒーという言葉が登場してくるのです。例えば、寛政9年(1797年)のある文献には、長崎丸山にいた遊女が受け取った物品の中に「コヲヒ豆一箱」という言葉が登場します。他にも天明2年(1782年)の文献には、コーヒーは豆の様だが実は木の実である、という説明が含まれています。これら歴史的な文献と照らし合わせて考えると、日本にやって来たのは江戸時代という説が有力とされています。
・江戸末期には良薬としてすすめられる
江戸時代も末期となったころに出島で活動していた、ドイツ出身の医者シーボルトは、1826年にコーヒーが長寿につながる良薬であるとし、自著の中でコーヒーを飲むように勧めています。その後の時の流れを経て、日本でも広く親しまれる飲み物になっていきました。