高品質コーヒーは猫の手も借りたい
世界で最も高価なコーヒーは「コピ・ルアク」だと言われています。「コピ・ルアク」とは、別名ジャコウネココーヒーであり、名がついている動物、ジャコウネコが出すフンから生産されているコーヒー豆です。
ジャコウネコの働き
ジャコウネコはコーヒーの木に実る、赤く熟したコーヒーチェリーを食べ、豆だけをフンで体外に排出します。この豆を採取する、というと抵抗感があるかもしれませんが、もちろんきれいに洗浄もされ、硬い殻の中の生豆はフンに触れてもいません。
フンから豆はわずかにしかとれませんが、ジャコウネコ体内で発酵がなされるために、他にはないコーヒー豆となるのです。香りはチョコレートのような甘いものとなり、特に豆を挽くときには強く甘い香りがします。
ただ希少だから高価なのではなく、「コピ・ルアク」の味がやはり人を惹きつけています。苦味が少なめな傾向であり、さっぱりと飲めるコーヒーとなります。風味もフルーティで、万人に好かれる味だと評価する者もいます。ジャコウネコのフンからわざわざ生産され続けているのには理由があるのです。
動物のフンに頼るコーヒー
「コピ・ルアク」は「コーヒー」と「ジャコウネコ」を指す言葉ですが、他の動物がコーヒー生産に利用されているケースもあります。猿のフンの中の豆を採取するアメリカの「モンキーコーヒー」、タヌキのフンから同様に取り分けて出荷できるコーヒー豆としていく、ベトナムの「タヌキコーヒー」、タイでは象のフンを利用している「ブラック・アイボリー」もあります。いいコーヒーを作るのは人の手だけではないのです。